コラム

口腔機能低下症

2025/12/09

お口の健康は、全身の健康や食べる楽しみ、人とのコミュニケーションなど『生きること』に直結していますが、お口の健康が損なわれ始めた状態である口腔機能低下症をご存知でしょうか?最近これに対する検査が保険に採用されました。口腔機能低下症は、むし歯や歯の喪失など従来の障害とは異なり、いくつかの口腔機能の低下により現れる病態です。すなわち、加齢に加え、様々な要因によって、口腔の機能が複合的に低下している疾患です。放置していると咀嚼障害、摂食嚥下障害などの口腔の機能障害に陥り、また、低栄養や身体機能低下、筋力低下など全身の健康を損なっていきます。

口腔機能低下症の症状としては、口腔不潔(口腔衛生状態不良)、お口の渇き、咬む力の低下、舌や口唇の運動機能の低下、舌の筋力低下、咀嚼や嚥下機能の低下など複数の口腔機能の低下がみられます。

次の7つの検査のうち、3項目以上があてはまると口腔機能低下症と診断されます。

  1. 口腔衛生状態不良
  2. 口腔乾燥
  3. 咬合力低下
  4. 舌や口唇運動機能低下
  5. 舌圧低下
  6. 咀嚼機能低下
  7. 嚥下機能低下
口腔機能低下症と診断された場合には、その悪化を予防し、回復を目指します。すなわち、歯科疾患管理に加えて口腔機能の管理も実施していきます。